嫌な夢を見た。
非常に寝覚めが悪く、しばらく陰鬱な気分だった。
親しい人が死ぬ夢。
けど、死の描写がされているわけではなく、その報せを受ける夢。
その報せに対して暗く悲しい気持ちを抱いたまま目が覚めた。


なんだってこんな夢を見たのか考えてみた。
夢とは人の記憶の整理をしているらしい。
言ってみればPCのデフラグのようなものか。


そして思い出した。
もうすぐ祖父の一周忌だ。
初めて近しい親類が無くなったあの日からもうすぐ1年。
空港で報せを受けた。
20数年間生きてきて初めて聞いた母の暗く沈んだ声。
後にも先にもあんな暗く沈んだ母の声を聞いたのは一度きりだ。


忘れかけるたびにまた夢に見て思い出すんだろう。
願わくば夢が現実のものとならないことを。